【実例公開】新築したばかりの家で離婚|売却すれば約1,500万円の持ち出しになるペアローンを一本化した川崎市宮前区M様の事例

「離婚したら、住まない家は売却して住宅ローンを清算する」

これは、離婚時の住宅問題を考えるうえで、非常に一般的な考え方です。

夫婦のどちらも住まないのであれば、家を売却して住宅ローンを返済し、残った財産を清算する。

確かに、これができるケースもあります。

しかし、土地を購入して、ハウスメーカーで注文住宅を建てたばかりの家となると、話は大きく変わります。

建物が完成したばかりでも、

「購入した金額=現在の売却価格」

になるとは限りません。

土地の購入費、建築費、住宅ローンの諸費用などを含めると、購入直後の住宅は売却価格より住宅ローン残高の方が大きくなりやすく、いわゆるオーバーローンの状態になることがあります。

今回、神奈川県川崎市宮前区のM様からご相談いただいたケースも、まさにその典型でした。

約1年前に土地を購入。

その後、ヘーベルハウスで建物を建築。

住宅ローンは、既存の三井住友銀行で、

  • 夫:4,500万円
  • 妻:1,500万円

というペアローンを利用していました。

土地・建物の持分は、

  • 夫:45/60
  • 妻:15/60

です。

ところが、建物が完成して引き渡されたのが2026年3月。

そして、その2026年3月に夫婦は離婚することになりました。

夫は家を出て引っ越し。

妻もその家には住み続けず、実家へ戻りました。

つまり、完成したばかりの新築住宅に、夫婦のどちらも住まない状況になったのです。

一般的な考え方なら、

「売却して住宅ローンを清算しましょう」

となります。

ところが、今回の物件は売却すると約4,500万円程度。

住宅ローンは夫4,500万円+妻1,500万円=合計6,000万円

売却価格との差額は約1,500万円です。

さらに、売却には仲介手数料などの費用もかかります。

つまり、

売却するためには、少なくとも1,500万円以上の自己資金を用意する必要がある。

しかし、土地を購入した際も建物を建築した際も、自己資金はほとんどなく、手元資金は諸費用などでなくなっていました。

この状況では、単純に「売ればいい」とはいきません。

そこで夫から当センターへ、

「妻の15/60の持分を取得し、妻の1,500万円の住宅ローンを自分の借入にまとめて、ペアローンを一本化できないか」

というご相談をいただきました。

今回のポイントは、夫に年収820万円の収入があり、6,000万円の借入を検討できるだけの返済能力があったことです。

既存の住宅ローンは三井住友銀行で借り入れていましたが、離婚後に夫が住宅と住宅ローンを引き取るため、新たな借入によってペアローンを一本化する方法を検討しました。

結果として、

夫4,500万円+妻1,500万円というペアローンを、夫側の住宅ローンに一本化することができました。


1.新築したばかりなのに、なぜ「売却できない」のか?

今回の相談で、最初に考えられるのは「売却」です。

夫婦のどちらも住まないのであれば、

売却→住宅ローン完済→財産を清算

という方法が一番分かりやすいからです。

ところが、今回の物件はそれができませんでした。

理由は単純です。

住宅ローンの残高に対して、売却価格が足りなかったからです。

今回の住宅ローンは合計6,000万円。

一方、売却できる価格は約4,500万円程度と見込まれました。

単純計算でも、

6,000万円-4,500万円=1,500万円

の差があります。

ここに売却時の仲介手数料なども加わります。

つまり、売却するためには、夫婦側で不足分を現金で用意しなければなりません。


2.「足りない1,500万円を分割で払えばいい」はできない

ここは、離婚時の住宅売却で誤解されやすいところです。

住宅ローンが6,000万円残っている。

家を4,500万円で売却する。

では、

「残り1,500万円は毎月少しずつ返済すればいいのでは?」

と考える方もいます。

しかし、住宅を売却して抵当権を抹消するためには、住宅ローンを完済する必要があります。

不足する金額について、現在の住宅ローンをそのまま残して分割返済すればいい、という単純な話にはなりません。

そのため今回のケースでは、

「売りたいけれど、売るための不足資金がない」

という状況になっていました。


3.今回、売却ではなく「一本化」という方向に切り替えた

そこで考えたのが、

夫が妻の持分と住宅ローンを引き取る方法

です。

妻の持分は15/60。

住宅ローンは1,500万円。

これを夫側で整理します。

つまり、

夫4,500万円+妻1,500万円=6,000万円

を夫の住宅ローンとして一本化する考え方です。

ここで重要なのが、夫側の収入です。

今回、夫の年収は820万円

6,000万円という借入額は決して小さな金額ではありません。

しかし、今回のケースでは、夫の収入状況などを踏まえて、6,000万円の借入を検討することができました。

もちろん、住宅ローンの審査は年収だけで決まるものではありません。

年齢、他の借入、不動産の評価、返済期間、金融機関の審査基準など、さまざまな条件によって判断されます。

今回のケースでは、それらを確認したうえで、ペアローンを一本化する方向で手続きを進めました。


4.既存の住宅ローンは三井住友銀行

今回、もともとの住宅ローンは三井住友銀行から借り入れていました。

夫4,500万円。

妻1,500万円。

合計6,000万円のペアローンです。

離婚により妻が家を出ることになったため、

妻の15/60の持分と1,500万円の住宅ローンをどう整理するか

が問題になりました。

そこで、既存ローンをそのまま夫婦二人のペアローンとして残すのではなく、夫が住宅を引き取る形で一本化する方法を検討しました。

ここでも重要なのは、

「妻のローンを夫が引き継げばいい」

と単純に考えるのではなく、金融機関の審査を含めて新しい借入として組み立てる必要があることです。


5.実は「半年間の返済実績」も重要だった

今回、もう一つ大きかったのが、住宅ローン開始から半年以上の返済実績ができたことです。

建物完成・引渡しは2026年3月。

そこから住宅ローンの返済実績を積み上げました。

そして、半年以上の返済実績ができた段階で、ペアローン一本化に向けた手続きを進めました。

当センターでは、これまでにも同様の案件を扱ってきましたが、経験上、住宅ローン開始から半年未満の段階では、このような一本化を実現できたケースはありません。

もちろん、これはすべての金融機関に共通する絶対的なルールという意味ではありません。

金融機関や商品、個別条件によって判断は異なります。

今回のM様については、

年収820万円という収入状況

に加えて、

住宅ローンを開始してから一定期間の返済実績ができていたこと

も、手続きを進めるうえで重要なポイントとなりました。


6.もし売却していたら、約1,500万円以上の持ち出し

今回のケースを数字で整理すると、非常に分かりやすくなります。

住宅ローン

夫:4,500万円

妻:1,500万円

合計:6,000万円

想定売却価格

約4,500万円

不足額

約1,500万円

さらに、

売却仲介手数料などの費用

も必要になります。

つまり、夫婦にとっては、家を売るだけで大きな現金を用意しなければなりません。

しかし、自己資金はほとんど残っていませんでした。

このような状況では、

「住まないのだから売却すればいい」

という一般論だけでは解決できません。


7.「新築なのにオーバーローン」は珍しくない

今回の物件は、建物が完成したばかりのほぼ新築です。

しかし、売却価格は約4,500万円。

住宅ローン残高は6,000万円。

なぜ、このような差が生まれるのでしょうか。

土地を購入して注文住宅を建てる場合、

土地代+建築費+諸費用

が必要になります。

しかし、売却するときには、建築にかかった金額がそのまま売却価格になるわけではありません。

市場で実際に売れる価格によって売却価格が決まります。

そのため、

「新築だから住宅ローン残高以上で売れる」

とは限りません。

今回のM様のように、土地を購入して高額な注文住宅を建築した直後に離婚すると、

「まだ新築なのに、売るためには大きな自己資金が必要」

という状況になることがあります。


8.「最初から単独ローンだったら」という問題

今回のケースで、私たち自身も考えさせられたことがあります。

もし、土地を購入して建物を建築する段階で、

夫が最初から単独で住宅ローンを借りていたらどうだったのか。

今回のように離婚して妻が家を出たとしても、

妻の1,500万円の住宅ローンを夫が引き取ってペアローンを一本化する

という手続き自体は必要ありませんでした。

もちろん、当時の夫の収入や借入条件によって、6,000万円を単独で借りられたかどうかは別の問題です。

また、ペアローンそのものが悪いという話でもありません。

夫婦それぞれの収入を活用して住宅を購入できることは、ペアローンの一つの特徴です。

ただ、

「もし夫婦関係が変わったら、ローンと持分をどう整理するのか」

という点については、住宅購入時から知っておいても損はありません。


9.今回のケースでは、過去の経験が活きた

今回、手続きを比較的スムーズに進めることができた理由の一つは、当センターで過去にも同じようなケースを経験していたことです。

土地を購入。

注文住宅を建築。

建物完成前後に夫婦関係が悪化。

離婚。

ペアローンをどうするかという問題が発生。

こうしたケースは、決して今回が初めてではありません。

そのため、M様からご相談いただいた段階で、

「このケースでは何を確認し、どのタイミングで動くべきか」

を早い段階で整理することができました。

特に今回は、

  • 夫の年収820万円
  • 既存ローン6,000万円
  • 夫4,500万円・妻1,500万円のペアローン
  • 持分45/60・15/60
  • 売却価格約4,500万円
  • 大きなオーバーローン
  • 自己資金がほとんどない
  • 住宅ローン開始から半年以上経過

という条件を一つずつ確認。

そのうえで、

「売却ではなく、夫側で一本化する方法」

へ方向転換しました。


10.離婚したら「売却」が正解とは限らない

もちろん、離婚した夫婦のどちらも住まない住宅であれば、売却して清算する方法は一般的な選択肢です。

しかし、

売却価格が住宅ローン残高を大きく下回っている

場合には、その方法が取れないことがあります。

今回がまさにそのケースでした。

6,000万円の住宅ローンに対して、売却価格は約4,500万円。

差額は約1,500万円。

そこに売却費用も加わります。

この不足分を現金で用意できなければ、売却そのものが難しくなります。

だからこそ、

「売却したらいくら不足するのか」

を最初に確認することが大切です。

そして、不足額を用意できないのであれば、

「どちらか一方が住宅を引き取り、ペアローンを一本化できないか」

という方法を検討する余地があります。


11.今回のM様のケースを整理すると

項目内容
所在地神奈川県川崎市宮前区
土地購入約1年前
建物ヘーベルハウス・新築
建物完成・引渡し2026年3月
離婚2026年3月
既存金融機関三井住友銀行
夫の住宅ローン4,500万円
妻の住宅ローン1,500万円
ペアローン合計6,000万円
夫の年収820万円
持分夫45/60・妻15/60
売却想定価格約4,500万円
売却時不足額約1,500万円+売却費用
自己資金ほとんどなし
夫の希望妻の持分取得・ペアローン一本化
結果ペアローンを一本化

今回のポイントは、

「売却すると大きな持ち出しになる」

一方で、

「夫には6,000万円の借入を検討できる収入状況があった」

ということです。

そして、住宅ローン開始から半年以上の返済実績ができたタイミングで、一本化に向けて動きました。


12.まとめ|新築直後の離婚でも、ペアローンを一本化できる場合がある

今回の川崎市宮前区M様のケースでは、

土地を購入し、

ヘーベルハウスで建物を建築。

夫4,500万円・妻1,500万円のペアローンを利用。

2026年3月に建物完成。

同じ2026年3月に離婚。

夫は引っ越し、妻も実家へ戻る。

売却価格は約4,500万円。

住宅ローン残高は6,000万円。

売却すると約1,500万円+売却費用の持ち出し。

自己資金がほとんどなく、売却は現実的ではない。

そこで、

夫が妻の15/60の持分を取得し、妻の1,500万円の住宅ローンを整理して、ペアローンを夫側へ一本化する

という方法を検討しました。

夫の年収は820万円。

この収入状況をもとに6,000万円の借入を検討することができ、さらに住宅ローン開始から半年以上の返済実績ができたタイミングで手続きを進めました。

結果として、

ペアローンを解消し、夫側の住宅ローンに一本化することができました。

今回の事例から分かるのは、

「離婚したら売却」だけが選択肢ではない

ということです。

特に、

土地を購入したばかり

注文住宅を建てたばかり

新築なのに住宅ローン残高が売却価格を大きく上回っている

ペアローンを利用している

売却するための自己資金がない

というケースでは、売却以外の方法を検討する意味があります。

もちろん、ペアローンの一本化ができるかどうかは、年収だけで決まるものではありません。

住宅ローン残高、年齢、他の借入、不動産の評価、返済期間、金融機関の審査など、さまざまな条件によって判断されます。

だからこそ、

「売却しかない」と決めてしまう前に、現在の住宅ローンと不動産の状況を具体的な数字で整理する。

それが、離婚後の住宅問題を解決する第一歩になります。

当センターでは、これまでにも離婚に伴うペアローンの解消・一本化について、さまざまな実例を扱ってきました。

「新築したばかりなのに離婚になってしまった」

「ペアローンをどうすればいいのか分からない」

「売却すると大幅なオーバーローンになる」

「売却するための自己資金がない」

という場合も、まずは現在の状況を整理してみてください。

離婚後の住宅問題は、状況によって解決までの道筋が変わります。

売却するのか。

どちらかが住み続けるのか。

ペアローンを一本化できるのか。

その選択肢を、具体的な数字と実務経験から一つずつ検討することが重要です。


【実例公開】新築したばかりの家で離婚|売却すれば約1,500万円の持ち出しになるペアローンを一本化した川崎市宮前区M様の事例

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離婚住宅ローンセンター

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電話番号:0120-689-798

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