「離婚後も子どもと今の家に住み続けたい」
「でも、住宅ローンは元夫名義。自分の収入だけでは借り換えが難しそう……」
「年収がそれほど高くないから、元夫名義の住宅ローンを自分名義にするのは無理なのでは?」
離婚後の住宅ローンについて、このようなご相談を受けることがあります。
今回ご紹介するのは、東京都世田谷区砧のS様の事例です。
S様は約2年前に離婚。
元夫はすでに家を出て杉並区の実家へ戻っていましたが、S様はお子様と一緒に、それまで暮らしていた住宅に住み続けていました。
しかし、住宅ローンは元夫名義。
建物の名義も元夫のままです。
S様としては、
「この家に住み続けたいので、住宅ローンも家の名義も自分のものにしたい」
という希望がありました。
ところが、住宅ローンの残高は約2,500万円。
S様の年間収入は約300万円でした。
さらに、住宅ローンを組み直す場合にはローン残高だけではなく、諸費用なども考える必要があります。
そのため、S様本人の収入だけで資金計画を組むのは簡単ではありませんでした。
そこで今回ポイントになったのが、S様のお父様の年金収入でした。
お父様には年間約250万円の年金収入があり、この収入も含めて住宅ローンの資金計画を検討。
最終的に、元夫名義の住宅ローンを整理し、建物をS様名義へ変更して、S様が住み続けるための形を整えることができました。
「年収300万円では住宅ローンは無理」と最初から決めない
離婚後に住宅ローンを自分名義にしたいという相談では、最初に、
「私の年収では無理ですよね?」
とおっしゃる方が少なくありません。
もちろん、住宅ローンには審査があります。
希望する借入額を誰でも借りられるわけではありません。
金融機関は、年収だけではなく、年齢、勤務状況、既存の借入、物件の担保評価、返済期間など、さまざまな要素を確認します。
そのため、
「年収300万円なら2,500万円を借りられる」
とも、
「年収300万円なら絶対に無理」
とも、一概には言えません。
今回のS様の場合も、重要だったのは年収300万円という数字だけではありませんでした。
S様には、住宅ローンを組み直すうえで一緒に検討できる家族の収入がありました。
それが、お父様の年金収入です。
今回は父親の年間約250万円の年金収入も含めて検討
S様のお父様には、年間約250万円の年金収入がありました。
今回の住宅ローンについては、このお父様の収入も組み合わせて資金計画を検討することになりました。
ここで注意していただきたいのは、
「親に年金収入があれば、必ず住宅ローンを組める」という話ではない
ということです。
住宅ローンの審査方法や、親の収入をどのように扱えるかは金融機関によって異なります。
また、親の年齢などによっても条件は変わります。
したがって、実際に利用できるかどうかは、個別に金融機関へ確認し、審査を受ける必要があります。
今回のポイントは、
妻本人の収入だけを見て「無理」と判断するのではなく、家族の状況を含めて資金計画を検討した
ということです。
住宅ローン残高は約2,500万円。さらに諸費用も必要だった
今回、整理する住宅ローンの残高は約2,500万円でした。
そして、住宅ローンを新しく組み直す場合には、単純に2,500万円だけ準備すればよいわけではありません。
融資に伴う諸費用なども考える必要があります。
つまり、
現在のローン残高+新しい融資に必要となる諸費用
まで含めて、資金計画を考えなければなりません。
ここが、離婚後の住宅ローン問題が難しくなる理由の一つです。
「今のローンが2,500万円残っているから、2,500万円借りればいい」
というだけでは終わりません。
新しい住宅ローンを利用するための費用。
不動産の名義を変更するための費用。
その他の手続きに必要となる費用。
こうしたものも含めて考える必要があります。
元夫の住宅ローンをそのまま妻名義に「変更」するだけではない
今回のケースでは、
「元夫の住宅ローンを妻に名義変更すればいい」
という単純な話ではありませんでした。
住宅ローンは金融機関との契約です。
そのため、元夫から妻へ債務者を変更することについては、金融機関の承諾や審査が必要になります。
そこで今回は、新しい住宅ローンによって現在の元夫名義の住宅ローンを完済するという形で整理することになりました。
同時に、建物についても元夫からS様へ所有権を移します。
つまり、
現在
土地:父親名義
建物:元夫名義
住宅ローン:元夫名義
居住者:S様と子ども
という状態から、
整理後
土地:父親名義
建物:S様名義
住宅ローン:新しい融資へ整理
居住者:S様と子ども
という形を目指しました。
このように、離婚後の住宅問題では、住宅ローンと不動産の名義をセットで考えることが重要です。
「妻が住んでいる」「妻が返済している」だけでは名義は変わらない
今回のようなケースでは、もう一つ誤解されやすい点があります。
それは、
「離婚後は私が住んでいる」
「私が住宅ローンを払っている」
という事情だけでは、建物の所有権が自動的に妻へ移るわけではないということです。
登記上の所有者が元夫であれば、建物は基本的に元夫の所有物です。
住宅ローンについても、契約上の債務者が元夫であれば、妻が実際に返済していたとしても、それだけで金融機関との契約関係が変わるわけではありません。
だからこそ、離婚後も住み続けるのであれば、
「誰が住むのか」
「誰が所有するのか」
「誰が住宅ローンを借りるのか」
を整理する必要があります。
今回は「親の土地+元夫名義の建物」という特殊な状況だった
S様のケースでは、一般的な住宅ローンの借換えとは違う事情もありました。
建物が建っている土地はS様のお父様の所有です。
一方、建物は元夫名義。
離婚後、元夫は家を出て、S様とお子様が住み続けていました。
つまり、
土地=父親
建物=元夫
居住=妻と子ども
という状態です。
このような状態を長期間そのままにしておくと、将来、土地所有者であるお父様の相続などが発生した際に、土地と建物の権利関係について確認しなければならない事項が増える可能性があります。
今回、建物をS様名義に整理することは、単に「離婚した元夫の名前を外す」という意味だけではありません。
これからS様がその家に住み続けることを前提として、現在の権利関係を整理しておく
という意味もありました。
当センターが行ったのは「住宅ローンの紹介」だけではない
今回のような案件では、
「住宅ローンを借りられる銀行を探して終わり」
というわけにはいきません。
住宅ローンを組み直すためには、その前後に不動産の売買や所有権移転など、さまざまな手続きが関係します。
今回、当センターでは、
- 現在の住宅ローンの確認
- 不動産の所有関係の確認
- 新しい住宅ローンを利用するための資金計画の検討
- 不動産売買の調整
- 重要事項説明書の作成
- 元夫から妻への建物所有権移転に向けた手続き
- 既存住宅ローンの返済を含めた全体調整
などを進めました。
特に離婚後の住宅問題では、元夫婦が直接話をすること自体が難しいケースもあります。
今回も、元夫はすでに別の場所で生活しています。
離婚後の夫婦が、住宅ローン、不動産、売買契約などについて何度も直接話し合うのは、精神的にも負担になります。
そこで第三者として間に入り、必要な事項を整理していくことも、こうした案件では重要な仕事になります。
離婚後の住宅ローンは「収入だけ」で判断しない
今回のS様の事例から、ぜひ知っておいていただきたいことがあります。
それは、
「自分の収入だけでは難しそうだから、家に住み続けることは無理」
と、最初から結論を出さないことです。
もちろん、住宅ローンの審査がありますから、希望すれば必ず借りられるわけではありません。
しかし、家族の収入や資産状況、住宅の価値、残っている住宅ローン、今後の返済計画などを含めて検討することで、選択肢が変わる場合があります。
今回のS様の場合は、
妻の年間収入約300万円+父親の年間約250万円の年金収入
という家族の状況を踏まえて資金計画を検討しました。
これが、今回の解決に向けた一つのポイントとなりました。
「家を売るしかない」と言われる前に考えたいこと
離婚すると、
「住宅ローンが残っているなら売却するしかない」
と考える方もいます。
確かに、住宅ローンの返済が難しく、住み続けることが現実的でない場合には、売却が選択肢になることがあります。
しかし、
- 妻と子どもが今の家に住み続けたい
- 住宅ローンを整理できる可能性がある
- 新しい住宅ローンを利用できる可能性がある
- 家族の収入を含めて資金計画を検討できる
- 建物の所有権を妻へ移す必要がある
という状況であれば、「売却する」以外の方法を検討できる場合があります。
今回のS様も、元夫が家を出たからといって、すぐに売却するのではなく、
「この家を妻と子どもが住み続けるためには、何を整理すればいいのか」
というところから考えました。
離婚後もマイホームに住み続けたい方へ
当センターには、離婚後の住宅ローンについて、
「妻の収入では無理だと思う」
「元夫名義のローンだから、もうどうしようもない」
「離婚してから時間が経ってしまった」
「親の土地に建っている家なので、普通の住宅ローンとは違う」
といったご相談が寄せられます。
こうしたケースでは、一つの条件だけを見て判断することはできません。
住宅ローンの残高。
現在の収入。
家族の収入。
土地と建物の所有関係。
物件の状況。
元夫婦それぞれの希望。
そして、新しい住宅ローンを利用できる可能性。
これらをまとめて確認する必要があります。
当センターでは、これまでにも離婚に伴う住宅ローンの整理や不動産名義の変更について、多くのケースをサポートしてきました。
今回のS様のように、一見すると「自分の収入では難しい」と思えるケースでも、家族の状況まで含めて資金計画を考えることで、住み続ける方法を検討できる場合があります。
まとめ|「自分の収入だけでは無理」と決める前に
今回の世田谷区砧S様。
離婚から約2年。
元夫はすでに家を出て、S様とお子様が住宅に住み続けていました。
住宅ローン残高は約2,500万円。
S様の年間収入は約300万円。
この条件だけを見ると、住宅ローンを自分名義に組み直すことは簡単ではありません。
しかし、S様のお父様には年間約250万円の年金収入がありました。
そこで、その収入も含めた資金計画を検討。
金融機関の審査を経て、新しい住宅ローンによる既存ローンの整理と、元夫からS様への建物所有権移転を進めることができました。
もちろん、これはS様のケースであり、同じ方法がすべての方に当てはまるわけではありません。
住宅ローンには金融機関の審査があり、親族の収入をどのように扱えるかもケースによって異なります。
ただ、
「自分の年収だけでは難しい」
「だから家を手放すしかない」
と、最初から決めつける必要もありません。
離婚後も子どもと今の家に住み続けたい。
でも、自分一人の収入では住宅ローンを組み直せそうにない。
そんな場合には、まず現在の住宅ローン、家の名義、土地の名義、家族の収入などを整理してみることが大切です。
「離婚して売却」がこれまでのスタンダードだったとしても、マイホームを残し、名義を整理して住み続けるという選択肢があります。
当センターでは、離婚後の住宅ローンについて、現在の状況を確認したうえで、住み続けるために検討できる方法を一緒に整理しています。
【実例】年収300万円の妻だけでは住宅ローンが難しい?父親の年金収入も含めて家を残した世田谷区砧S様の事例
離婚住宅ローンセンター
住所:東京都中野区中央1丁目1−1
マイライフビル 2階
電話番号:0120-689-798
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