【実例】離婚条件で「家は夫の名義にする」と決めたのに終わらない|中野区弥生町R様の住宅ローン整理

離婚することになり、夫婦の間では、

「この家は夫が持つ」

という話がまとまった。

「妻の持分も夫に移す」

という条件も決まった。

では、これで住宅ローンの問題も解決したのでしょうか。

実は、そう簡単ではありません。

今回、東京都中野区弥生町にお住まいのR様からご相談いただいたケースは、まさにその典型でした。

現在の不動産は夫婦の共有名義。

持分は、

夫:9/10
妻:1/10

です。

住宅ローンの残債は約3,900万円。

そして、妻であるR様は住宅ローンの連帯保証人になっていました。

離婚にあたり、R様が希望したのは、

「自分の1/10の持分を夫に移したい」

そして、

「住宅ローンの連帯保証人からも外れたい」

ということでした。

夫がそのまま家を所有すること自体には、大きな異論はありません。

ところが、ここからが住宅ローン問題の難しいところです。


「家は夫がもらう」と決めても、銀行との契約は別問題

夫婦間で、

「離婚後、この家は夫が所有する」

と決めることはできます。

離婚協議書などに、その内容を記載することもできます。

しかし、住宅ローンを借りている金融機関から見れば、夫婦間の合意だけでローン契約が変更されるわけではありません。

住宅ローンは、金融機関と借主との間の契約だからです。

そのため、

不動産の所有者を変更する問題

と、

住宅ローンの契約関係を変更する問題

は分けて考える必要があります。

さらにR様の場合には、

連帯保証人から外れる

という問題もありました。

つまり今回整理しなければならなかったのは、

  1. 妻の不動産持分1/10
  2. 住宅ローン残債約3,900万円
  3. 妻の連帯保証人としての立場
  4. 離婚後の不動産所有者
  5. 新しい住宅ローンの借入方法

という複数の問題です。


R様にとっては「自分が住まない家」の問題だった

今回、R様がなぜここまで住宅ローンの整理を希望したのか。

それは非常にシンプルです。

離婚する以上、今後は夫婦それぞれが別の生活を送ることになります。

R様はその家を自分の資産として持ち続けたいわけではありません。

むしろ、

「夫がその家を所有するのであれば、自分の持分も夫に移したい」

という考えでした。

そして同時に、

「自分が所有しない家の住宅ローンについて、離婚後も連帯保証人として残りたくない」

という希望がありました。

これは当然の問題意識ともいえます。

離婚後、自分が住んでいない家について、元配偶者の住宅ローンに関係し続ける。

その状態を何十年も続ける可能性があると考えれば、離婚時に整理しておきたいと考えるのは自然なことです。


ところが、夫側は「今のままでもいいのでは?」

ここで夫婦間に温度差がありました。

夫側からすると、

「今まで通り自分が住宅ローンを返済していけばいい」

という考え方もできます。

実際、現在のところ返済に問題がなければ、

「なぜわざわざ借り換えまでしなければならないのか」

と考えるのも不思議ではありません。

一方で、R様からすれば事情が違います。

夫がきちんと返済しているかどうかとは別に、

「私は離婚後も連帯保証人のままでいいのか」

という問題があります。

ここが、夫婦間だけではなかなか解決しにくいポイントでした。


「今は問題ない」と「将来も問題ない」は同じではない

住宅ローンは、数十年という長い期間で返済することが珍しくありません。

現在、夫が問題なく返済していたとしても、住宅ローンの完済までには長い期間があります。

離婚後の生活環境も変わります。

転職する可能性もあります。

収入が変わる可能性もあります。

再婚する可能性もあります。

何らかの事情で返済が難しくなる可能性もゼロではありません。

もちろん、夫が返済できなくなると決まっているわけではありません。

しかし、R様からすれば、

「離婚した後も、元夫の住宅ローンについて自分が保証責任を負う状態を残しておきたくない」

ということが重要でした。

だからこそ、現在問題が起きていない段階で整理することを希望されたわけです。


不動産の持分が「1/10だから安心」ではない

今回のケースで、もう一つ注意したいのが、

不動産の持分と住宅ローンの責任は同じではない

ということです。

R様の不動産持分は1/10。

夫が9/10です。

そのため、

「妻は1/10しか持っていないのだから、住宅ローンについても1/10程度の責任なのでは?」

と考えてしまう方がいるかもしれません。

しかし、住宅ローンの連帯保証人としての責任は、不動産の持分割合だけで決まるものではありません。

ここを混同してしまうと、離婚後の住宅ローンについて大きな誤解が生じます。

R様が希望されたのは、単なる「1/10の名義変更」ではありません。

不動産の持分を夫に移すことと、住宅ローンの連帯保証関係を整理することを同時に行うこと

でした。


では、どうやって夫名義に整理するのか?

今回の方向性は、

夫側で新たな住宅ローンの融資を受ける

というものです。

現在の住宅ローンをそのまま単純に「妻だけ外してください」とお願いするのではなく、夫が新たな融資を受け、その融資によって現在の住宅ローンを整理する方法を検討します。

イメージとしては、

現在

夫・妻
↓
住宅ローン残債 約3,900万円
↓
不動産
夫9/10・妻1/10
↓
妻は連帯保証人

という状態です。

これを、

整理後の目標

夫
↓
新しい住宅ローン
↓
不動産
夫単独名義

という形に近づけていきます。

そうすることで、R様が不動産の所有者でもなく、住宅ローンの連帯保証人でもない状態を目指します。

ただし、当然ながら新たな融資には金融機関の審査があります。

夫の収入や勤務状況、既存借入、不動産の評価、借入額などを確認したうえで、融資が成立するかどうかを判断してもらう必要があります。


今回は「妻が依頼者、夫が借入申込者」という難しさ

このケースで実務上難しいのは、ここです。

R様は妻です。

そしてR様が当センターへ相談に来られました。

ところが、実際に新しい融資を申し込むのは夫です。

つまり、

相談者と融資申込者が違う

のです。

妻が、

「連帯保証人から外れたい」

と思っていても、それだけでは新しい住宅ローンを借りることはできません。

夫側にも、

「なぜ借り換えが必要なのか」

「何をしなければならないのか」

を理解してもらい、実際に融資申込みをしてもらう必要があります。

ここが、一般的な住宅ローンの借り換えとは大きく違うところです。


夫が動かなければ、妻だけでは解決できない

R様がいくら準備をしても、夫が融資申込みをしなければ、この方法は進みません。

そのため、今回の案件では単純な住宅ローン知識だけではなく、

「どうすれば夫側にも手続きを進めてもらえるか」

という調整が必要になります。

離婚を決めた夫婦にとって、お互いに直接話をすること自体が負担になることもあります。

まして、

「銀行に行ってください」

「書類を準備してください」

「この融資に申し込んでください」

という話を元夫婦同士ですると、感情的なやり取りになってしまう場合があります。

そこで第三者が間に入り、

「妻側の希望」

と

「夫側に必要な手続き」

を切り分けます。

「妻が夫を責めている」という話ではなく、

「離婚後に双方が新しい生活を始めるために、住宅ローンをどう整理するか」

という問題に置き換えていくわけです。


当センターが行うのは「名義変更」だけではない

離婚時の不動産相談というと、

「登記の名義を変えてくれるところ」

というイメージを持たれることがあります。

しかし、今回のような案件では、それだけでは解決しません。

必要なのは、

不動産
+
住宅ローン
+
連帯保証
+
金融機関
+
夫婦間の調整

を一つの案件として考えることです。

R様の場合も、

「妻の1/10を夫に移せば終わり」

ではありません。

その裏側に住宅ローンが残っているからです。

そして、その住宅ローンにR様が連帯保証人として関係しているからです。

だからこそ、住宅ローンを含めて全体を整理する必要があります。


「離婚協議書に書いたから大丈夫」ではない

離婚条件として、

「不動産は夫が取得する」

「住宅ローンは夫が支払う」

と決めるケースがあります。

もちろん夫婦間の合意として、こうした内容を明確にしておくことは重要です。

しかし、それだけで金融機関との住宅ローン契約が変わるわけではありません。

例えば、

「住宅ローンは夫が全額払う」

と夫婦間で約束していたとしても、金融機関との契約上、妻が連帯保証人になっているのであれば、その契約関係について別途整理が必要になります。

だからこそ、離婚条件を決める段階から、

「不動産を誰が所有するのか」だけではなく、「住宅ローンを誰の契約にするのか」

まで確認しておくことが重要です。


離婚後の住宅問題でよくある「三者のズレ」

今回のような案件では、3つの立場があります。

① 妻

「離婚後は住宅から離れたい。持分も手放したい。連帯保証人からも外れたい」

② 夫

「家は自分が持つ。ローンも今まで通り払えばいいのでは?」

③ 金融機関

「夫単独で新たな融資をするなら、改めて審査が必要」

この3者の考えを一つにつなげなければなりません。

妻と夫だけの問題でもありません。

夫婦間で合意しても、金融機関の審査があります。

金融機関に相談しても、夫側が必要な手続きを進めなければ成立しません。

だからこそ、こうした離婚住宅ローン案件では、全体を見ながら順番を組み立てることが重要になります。


R様のケースから分かる「離婚前に確認したいこと」

もし現在、住宅ローンを夫婦で組んでいて、離婚を検討しているのであれば、少なくとも次の点は確認しておいたほうがいいでしょう。

1.不動産の名義・持分

夫単独なのか、妻との共有なのか。

共有なら、それぞれ何分の何を所有しているのか。

2.住宅ローンの借主

誰が債務者になっているのか。

3.連帯保証人

夫婦のどちらかが連帯保証人になっていないか。

4.離婚後に誰が住むのか

夫が住むのか、妻が住むのか、それとも誰も住まないのか。

5.住宅ローン残高と不動産価格

売却した場合に住宅ローンを完済できるのか。

6.離婚後に誰が住宅ローンを引き受けるのか

ここまで整理して初めて、具体的な方法が見えてきます。


「今のままでいい」は、誰にとっていいのか?

今回のR様のケースで、私はこの点が非常に重要だと思います。

夫側から見れば、

「今のままでいい」

かもしれません。

しかし、それは必ずしも妻にとって「今のままでいい」とは限りません。

夫が住宅ローンを返済している限り、当面は問題が表面化しないかもしれません。

しかしR様には、離婚後も連帯保証人という立場が残ります。

つまり、

夫にとっての「問題がない状態」と、妻にとっての「問題がない状態」は違う

のです。

離婚時の住宅ローン問題では、ここを理解することが非常に重要です。


夫婦のどちらか一方だけが動いても解決しないことがある

今回のように、

「妻は整理したい」

「夫は今のままでいいと思っている」

という状態では、手続きが止まってしまいます。

だからこそ、当センターでは一方の希望だけを聞いて終わりにするのではなく、最終的にどういう状態を目指すのかを整理します。

R様の場合なら、

妻の1/10持分を夫へ移す
↓
夫が新たな融資を申し込む
↓
融資審査
↓
現在の住宅ローンを整理
↓
夫単独の所有・ローンに整理
↓
妻の連帯保証関係を解消する

という全体像です。

もちろん、実際の手続きや順序は個々の契約や金融機関によって異なります。

しかし、最初に全体像が見えていれば、

「次に何をすればいいのか」

が分かります。


まとめ|離婚の合意と住宅ローンの整理は別々に考える

中野区弥生町のR様のケースは、離婚時の住宅問題で非常に多くの方が誤解しやすいポイントを含んでいます。

今回の状況は、

夫9/10・妻1/10の共有名義

住宅ローン残債約3,900万円

妻は連帯保証人

というものでした。

離婚にあたり、R様は、

「妻の1/10持分を夫へ移したい」

そして、

「住宅ローンの連帯保証人から抜けたい」

と希望されました。

夫側は当初、

「今のままでもいいのではないか」

という考えでした。

しかし、離婚後も妻が連帯保証人として残り続けることには、将来的なリスクがあります。

そこで、夫側が新たな融資を受け、現在の住宅ローンを整理して、夫単独の不動産・住宅ローンに整理する方向で検討を進めることになりました。

この事例が教えてくれるのは、

「離婚条件が決まった=住宅ローン問題も解決した」ではない

ということです。

不動産の名義と住宅ローン。

さらに連帯保証人の問題。

この3つは、それぞれ別に確認する必要があります。

そして、夫婦間で合意していても、最終的には金融機関の審査や承認が必要になります。

だからこそ、離婚時の住宅ローンについては、

「名義を変えたい」

だけではなく、

「離婚後に、夫婦それぞれが住宅ローンについてどのような立場になるのか」

まで考えることが大切です。

離婚後、自分が住まない家の住宅ローンについて連帯保証人になっている。

そんな状況で、

「このままで本当に大丈夫なのだろうか」

と感じているのであれば、まず現在の不動産名義、住宅ローン契約、連帯保証関係を整理してみてください。

そのうえで、夫婦間だけでは解決が難しい場合には、第三者を交えて具体的な整理方法を検討することも一つの方法です。

離婚した後まで、元夫婦がお互いの住宅ローンに縛られ続ける必要があるのか。

R様のケースは、その問題を考えるきっかけになる実例です。


【実例】離婚条件で「家は夫の名義にする」と決めたのに終わらない|中野区弥生町R様の住宅ローン整理

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離婚住宅ローンセンター

住所:東京都中野区中央1丁目1−1

マイライフビル 2階

電話番号:0120-689-798

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