【衝撃】住宅ローンを「詳しく理解している人」はわずか11.8%|では、離婚したときの住宅ローンまで考えていますか?

住宅ローンを組むとき、「離婚したら家をどうするか」まで考えていますか?

マイホームを購入するとき、多くの方が真剣に考えるのは、

「どのエリアに住むか」
「いくらの家を買うか」
「毎月の住宅ローン返済はいくらになるか」
「住宅ローン控除はいくら受けられるのか」

といったことではないでしょうか。

しかし、住宅ローンを組む段階で、

「もし将来、離婚したら、この家と住宅ローンはどうなるのか?」

まで考えている方は、決して多くありません。

実際、一般社団法人共有名義不動産問題研究所が2022年に実施した調査では、住宅ローン控除制度について「詳しい内容まで全て把握している」と回答した人は、わずか**11.8%**でした。

住宅ローン控除という比較的よく知られている制度でさえ、詳しい内容まで理解している人は1割程度。

まして、

「離婚した場合の住宅ローン」
「夫名義の家に妻と子どもが住み続ける場合」
「ペアローンを組んでいて離婚した場合」
「共有名義の家をどう整理するのか」

となると、購入時点で具体的に考えている方はさらに少ないのではないでしょうか。

そして、私たちが実際に離婚と住宅ローンの相談を受けるようになって、強く感じることがあります。

それは、

「離婚するとは思っていなかったので、何も考えていませんでした」

という方が非常に多いということです。

この記事では、2022年に当研究所が実施した住宅ローン控除に関する調査結果を入口として、住宅購入時には見落とされやすい「離婚後の住宅ローン問題」について、実際の相談事例を交えながら解説します。


住宅ローン控除を「詳しく把握している人」は、わずか11.8%

まず、当研究所が2022年6月7日に実施した調査をご紹介します。

調査対象は、2022年以降に住宅ローンを利用して、自宅として住宅を購入する予定の既婚者1,013人です。

「住宅ローン控除制度について、どのくらいご存じですか?」と質問したところ、以下の結果となりました。

  • 概要くらいは知っている:43.7%
  • 名前だけ聞いたことがある:35.2%
  • 詳しい内容まで全て把握している:11.8%
  • 制度自体あることを知らなかった:9.3%

注目したいのが、**「詳しい内容まで全て把握している」は11.8%**だったことです。

住宅ローン控除は、住宅購入を検討している方なら一度は耳にする可能性の高い制度です。

それでも、細かな内容まで理解している人は約1割でした。

もちろん、これは「住宅ローン控除を知らない人が多い」という単純な話ではありません。

むしろ重要なのは、

住宅ローンは知っているつもりでも、細かな条件や将来の状況まで考えるのは難しい

ということです。

住宅ローンは、単に「銀行からお金を借りて家を買う」というだけではありません。

住宅ローンには、

  • 借入名義
  • 不動産の所有名義
  • 連帯保証
  • 連帯債務
  • ペアローン
  • 借入期間
  • 残債
  • 担保
  • 団体信用生命保険
  • 税制
  • 金融機関との契約

など、さまざまな要素が絡んでいます。

そして、この複雑な仕組みが問題になるのが、離婚など人生の状況が変わったときです。


住宅ローンを組むとき、「離婚後」のことを考える人は少ない

住宅購入時には、夫婦で将来の生活について話し合うでしょう。

「子どもは何人欲しいか」

「どの学校に通わせるか」

「どちらの職場から通いやすいか」

「どのくらいの住宅ローンなら無理なく返済できるか」

こうしたことは、多くの家庭で検討されます。

しかし、

「もし離婚したら、この家はどうする?」

という話をする夫婦は多くありません。

当然です。

これからマイホームを購入しようとしている夫婦が、「離婚すること」を前提に住宅購入を考えるのは難しいからです。

ところが、実際には離婚によって住宅ローンが大きな問題になるケースがあります。

特に問題になりやすいのが、

「夫が住宅ローンを組み、夫名義の家に、離婚後も妻と子どもが住み続けたい」

というケースです。

この場合、

「夫が出ていけば、妻がそのままローンを払えばいいのでは?」

と思われるかもしれません。

しかし、住宅ローンはそれほど単純ではありません。


「家の名義」と「住宅ローンの名義」は別問題

離婚時に最も注意していただきたいのが、

不動産の名義と住宅ローンの名義は別の問題である

ということです。

例えば、

  • 不動産名義:夫
  • 住宅ローン:夫
  • 実際に住んでいる人:妻と子ども

という状態だったとします。

離婚後も妻と子どもが住み続けたい。

そこで、

「家の名義だけ妻に変えればいい」

と考えてしまう方がいます。

しかし、住宅ローンが夫名義のままなのに、不動産だけ妻名義へ変更することには大きな問題があります。

金融機関との契約内容によっては、無断で所有権を移転することが契約上の問題となり、場合によってはローンの一括返済を求められる可能性もあります。

つまり、

「不動産の名義を変えれば解決」ではありません。

住宅ローンについても、金融機関との関係を整理する必要があります。


「離婚したから売却」だけが答えではない

以前は、

離婚=家を売却して住宅ローンを清算する

という考え方が一般的でした。

もちろん、売却して住宅ローンを完済できるのであれば、それも有力な選択肢です。

しかし、すべての家庭が売却を希望しているわけではありません。

特に、

  • 子どもが現在の学校に通っている
  • 転校させたくない
  • 今の地域で生活を続けたい
  • 近くに実家や親族がいる
  • 妻が仕事を続けたい
  • 引っ越し費用を負担できない
  • 家賃を払うより現在の住宅に住み続けたい

といった事情がある場合、

「できれば今の家に住み続けたい」

という希望が出てきます。

この場合、最初から「売却するしかない」と決めつける必要はありません。

住宅ローンの状況や不動産の価値、離婚後に住む方の収入などを確認したうえで、別の方法を検討できる場合があります。


実際には「離婚後も今の家に住みたい」という相談が多い

当研究所では、離婚に伴う住宅ローンや不動産名義について、全国からご相談を受けています。

そこで頻繁に聞く言葉があります。

「子どものためにも、この家から動きたくないんです」

これは決して珍しい相談ではありません。

離婚そのものだけでも精神的な負担が大きい中、

「離婚する」

「家を売る」

「引っ越す」

「子どもが転校する」

「新しい家を探す」

という変化まで一度に起こることを避けたいと考える方は少なくありません。

そのため、

「離婚しても今の家に住み続ける方法」

を検討することには大きな意味があります。


実例① パート収入の妻が離婚後もマンションに住み続けたケース

兵庫県尼崎市のY様からは、離婚後もマンションに住み続けたいというご相談をいただきました。

Y様はお子様とマンションで生活しており、離婚後も環境を変えずに暮らしたいと希望されていました。

しかし、大きな問題がありました。

住宅ローンの借入人や不動産名義の整理です。

さらにY様は、正社員として高い年収を得ているケースではなく、パート収入を中心とした働き方でした。

一般的に、住宅ローンの審査では収入の安定性や継続性などが確認されるため、

「パート収入だけで住宅ローンを引き継ぐのは難しいのでは?」

と考えてしまうのも無理はありません。

しかし、住宅ローンの可能性は、単純に「正社員だからOK」「パートだからNG」と決まるものではありません。

物件価格、住宅ローン残高、年収、勤務状況、返済期間、信用情報など、さまざまな条件を総合的に確認する必要があります。

Y様のケースでも、条件を一つずつ確認しながら金融機関との調整を進め、最終的に離婚後もマンションに住み続けるための住宅ローン・名義整理につなげることができました。

この事例が教えてくれるのは、

「最初に銀行から難しいと言われた=絶対に方法がない」ではない

ということです。

※個別の審査結果を保証するものではありません。金融機関の審査基準や個別事情によって結果は異なります。


実例② ペアローンの離婚で「夫が妻のローンを整理」したケース

奈良県天理市でも、ペアローンの解消についてご相談がありました。

夫47歳、妻43歳。

住宅購入時には夫婦それぞれが住宅ローンを組むペアローンを利用していました。

夫の借入額は約2,800万円、妻は約1,200万円。

離婚時点で妻側には約800万円の住宅ローン残債が残っていました。

妻は家を出ることになり、夫がそのまま住み続けたい。

しかし、

「妻の住宅ローンをどうするのか?」

という問題が残ります。

ペアローンでは、夫婦それぞれが住宅ローン契約を結んでいるため、離婚したからといって自動的に片方のローンが消えるわけではありません。

そこで夫側で借り換えを行い、妻側のローンや不動産持分を整理する方法を検討しました。

ペアローンの解消では、

  • 現在の住宅ローン残高
  • 不動産の現在価値
  • 夫の収入
  • 妻の借入残高
  • 不動産の持分
  • 金融機関の審査
  • 離婚に伴う財産分与

などを総合的に確認する必要があります。

「ペアローンだから離婚したら売却」

と決める前に、まず現在の状況を整理することが重要です。


「住宅ローンが残っている家を妻名義にしたい」はどうする?

離婚相談で非常に多いのが、

「夫名義の住宅を妻名義に変更したい」

というご相談です。

しかし、ここには大きく分けて、

① 不動産の名義変更

と、

② 住宅ローンの名義・債務の整理

という2つの問題があります。

例えば夫名義の住宅ローンが2,000万円残っているとします。

妻がその家に住み続けるために、

「家だけ妻名義に変更する」

という方法では、住宅ローンの問題が残ります。

妻が住宅ローンを引き継ぐのであれば、金融機関の審査を受ける必要があります。

そのため、実際の相談では、

「名義変更できますか?」

という質問だけでは足りません。

むしろ、

「離婚後、この住宅を誰が所有し、誰が住宅ローンを返済するのか?」

というところから考える必要があります。


考えられる主な解決方法

離婚後の住宅ローン問題には、家庭によってさまざまな選択肢があります。

代表的なものとしては、

1.妻が住宅ローンを組み直して家を取得する

妻自身の収入や信用状況などが金融機関の基準を満たせるのであれば、妻が住宅ローンを利用して夫から住宅を取得する方法があります。

2.夫が妻の持分やローンを整理する

夫が住み続ける場合には、妻の持分やローン残高を整理するために、借り換えなどを検討する場合があります。

3.夫婦間売買を利用する

離婚に伴って、夫から妻へ、あるいは妻から夫へ不動産を売却する「夫婦間売買」を検討するケースもあります。

ただし、一般的な不動産売買とは異なる部分も多く、住宅ローンの審査や売買価格、税金、財産分与などを総合的に検討する必要があります。

4.共有名義を整理する

夫婦共有名義の場合には、それぞれの持分と住宅ローンの関係を整理しながら、単独所有への変更などを検討する場合があります。

5.売却して住宅ローンを清算する

もちろん、売却も重要な選択肢です。

ただし、

「売却しかない」

と決める前に、他の可能性を確認することも大切です。


住宅購入時に考えておきたい「もし離婚したら」の5項目

これから住宅ローンを組む方には、住宅ローン控除だけではなく、次の点も一度考えていただきたいと思います。

① 誰が住宅ローンを借りるのか

夫単独なのか、妻単独なのか、ペアローンなのか。

② 不動産の名義は誰にするのか

住宅ローンの借入人と不動産所有者の関係を確認しておきましょう。

③ 夫婦それぞれの負担割合はどうするのか

頭金や住宅ローンの負担割合と持分割合が一致しているかも重要です。

④ 万が一離婚した場合、誰が住むのか

もちろん離婚を前提にする必要はありません。

しかし、人生には予想できないことがあります。

⑤ 住宅ローンが残っている状態で家を売却するとどうなるのか

住宅の現在価値と住宅ローン残高を把握しておくことも重要です。


「住宅ローン控除」だけを見て住宅ローンを決めない

今回の2022年調査では、住宅ローン控除制度について「詳しい内容まで全て把握している」と答えた人は11.8%でした。

住宅ローン控除は、住宅購入時に非常に重要な制度です。

しかし、住宅ローンを考える際には、

「どれだけ税金が安くなるか」だけではなく、「この住宅ローンを将来どう整理できるのか」

という視点も重要です。

例えば、夫婦でペアローンを組めば借入可能額を増やせる場合があります。

しかし、将来離婚した場合には、夫婦それぞれの住宅ローンをどう整理するのかという問題が生じます。

「借りられる金額」と「将来も無理なく維持できる住宅ローン」は、必ずしも同じではありません。

マイホームは人生最大級の買い物だからこそ、

「今、買えるか」だけではなく「将来、どうするか」

まで考えておくことが大切です。


離婚しても「家を残す」という選択肢があります

私たちが離婚と住宅ローンの相談を受ける中で、以前は、

「離婚するなら家を売るしかないですよね?」

という質問が非常に多くありました。

もちろん、売却が最も適しているケースもあります。

一方で、

子どもの生活環境を変えたくない
今の家に住み続けたい
できれば家を手放したくない

という希望を持つ方もいます。

その場合には、

「誰が住むのか」
「誰が所有するのか」
「住宅ローンを誰が返済するのか」
「現在の残債はいくらなのか」
「不動産の価値はいくらなのか」

を一つずつ整理していく必要があります。

そして、その結果として、

「売却しない」という選択肢が見えてくるケースもあります。


まとめ|住宅ローンは「今」だけではなく「将来」まで考える

2022年に当研究所が実施した調査では、住宅ローン控除制度について詳しい内容まで把握している人は11.8%でした。

住宅ローン控除という制度だけを見ても、住宅購入者がすべての詳細を理解することは簡単ではありません。

まして住宅ローンには、

  • 借入名義
  • 不動産名義
  • ペアローン
  • 連帯保証
  • 連帯債務
  • 残債
  • 担保
  • 財産分与

など、さまざまな問題があります。

そして、離婚という人生の大きな変化が起きたとき、それらが一気に問題になることがあります。

だからこそ、住宅ローンを組むときには、

「いくら借りられるか」

だけではなく、

「この家と住宅ローンを将来どうするのか」

という視点も持っておくことが大切です。

そして、すでに離婚することになり、

「夫名義の家に妻と子どもが住み続けたい」

「住宅ローンの名義を変更したい」

「ペアローンを解消したい」

「夫婦間で不動産を売買したい」

という状況になったとしても、最初から「売却しかない」と決めつける必要はありません。

現在の住宅ローン残高、不動産価値、夫婦それぞれの収入、所有持分、金融機関との契約内容などを整理することで、別の解決方法を検討できる場合があります。

離婚=マイホームを手放す。

それが、すべての人にとって唯一の答えではありません。

当研究所では、離婚に伴う住宅ローン・不動産名義・共有名義・ペアローンなどについて、全国からご相談をお受けしています。

「銀行に相談したら名義変更はできないと言われた」
「妻の収入では住宅ローンは無理だと言われた」
「ペアローンをどうやって解消すればいいのかわからない」
「子どものために今の家に住み続けたい」

このような場合も、まずは現在の状況を整理することから始めてみてください。


調査概要

調査名:「2022年住宅ローン控除改正の認知度」に関する調査
**調査日:**2022年6月7日
**調査方法:**インターネット調査
**調査人数:**1,013人
**調査対象:**2022年以降、住宅ローンを組んで物件購入予定(投資ではなく自宅)の既婚者
**モニター提供元:**ゼネラルリサーチ

※本記事で紹介している住宅ローン控除に関する調査結果は2022年時点のものです。住宅ローン控除の現在の適用要件・控除額・控除期間等については、最新の公的情報をご確認ください。




【衝撃】住宅ローンを「詳しく理解している人」はわずか11.8%|では、離婚したときの住宅ローンまで考えていますか?

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